Udemy講師の収益と新しいコースを公開するまでの道のり

Shunsuke Sawada

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久々にUdemy講座をリリースしました。
今回はWebデザイナーになりたい人のための総合コースです。
収録時間は 20時間近くあり、Udemy の中でもわりと長いコースになります。

学習内容は講座ページの説明とサンプル動画を見てもらった方が早いので、
ここでは、以前の講座を公開した後と、新しい講座の作成時に感じたことをメモしておきます。

  

ダイレクトなフィードバックが嬉しい

最初に公開した講座がなかなか売れました。
自分でつくってブログに置いておいても売れるわけがなく、プラットフォームに乗っかるのは楽です。
やっぱり買ってくれる人がいないとモチベーションが保てないので、これは素直に嬉しかったです。最初の講座は React Native で iOS / Android アプリ開発をゼロから始めよう! というもので、モバイルアプリ開発のための初心者向け講座でした。

1000人を超える方が受講してくれて、良いコメントなんかをもらえると、やって良かったと思います。
Udemyとまったく関係ないところで「あのコース受講しました」とか言われると「これはこれはどうも有難う御座います」と感じます。
  
良いレビューも辛辣なレビューもあるかとは思いますが、ユーザーからのレスポンスがダイレクトに伝わってきます。「講師 対 受講生」なだけあって、Webサービスをつくるよりもフィードバックが直接的だと思いました。

公開後はメンテが大変

ReactNative & Expo という比較的新しい技術を選択したため、バージョンアップに付いていくのが大変です。活発に開発が進められているというのは、エンジニアとしては興奮する反面、どんどん自分の講座が古くなっていくという現実があります。

動画はブログと違って気軽に編集できないので、取り急ぎの対応として Github に最新バージョンにアップデートした状態のコードを置いておいて「こちらを参照してね」と受講者に伝えています。
そのまま半年くらい経ってしまいましたが、日々の仕事で忙しく動画がアップデートできないフラストレーションがあります。2本目も公開できたことですし、そろそろ本当にやりたいと思っています。
  
あとこれは仕方がないのですが、質問に対しての返答にけっこうコストがかかります。
開発環境が違ったり、講座と異なるライブラリのバージョンを使用されているケースがあるので、最初はなかなか的確な返答をするのが難しいと思いました。

ReactNative や Firebase 等、依存ライブラリのバグに遭遇することもあります。
これに関しては、Githubにプロジェクトまるごと上げてもらって、それを手元でデバッグして Pull Request を出すのがオススメです。
質問してくれた人のほとんどは Git や Github に慣れていないと思うので、PRを受け取るのは良い経験になりますし、何より確実に問題点を指摘できますので、解決までの時間が早いです。

そういう意味で、Git / Github のレッスンを序盤に入れたのは正解でした。そのために収録したわけではありませんが、これがなかったらQ&Aのコストがもっと上がっていたかと思います。

  

収益性

1年くらい前に公開した講座ですが、収益はこんな感じです。
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けっこう売れたと言っても、制作コストを考えると、正直まったく稼げていませんね…。
普通にフリーランスの仕事してた方がよっぽど良いです。

Udemy ではコース価格を自分で決めることができます。最高で 24,000円 になります。
ただこれはあくまで定価であって、Udemy 側で勝手に減額されることがほとんどです。「●●●セール!!」と銘打っていることもあれば、公開直後の講座は人気がないので、セールでなくても 90%OFF とかになります。

ただ、1,400円を下回ることはないようなので、基本的にはその最低価格で収益を見積もっておいた方が良いかと思います。

コースが購入されたら、その売上を講師とUdemyで分配します。
分配方法は今のところ 3種類 あって、

96%. 講師が発行したリンクから直接購入

講師のプロモーションによる売上です。 96% が講師に支払われます。
講師はクーポン付きのURLを発行できるので、そのリンク経由を使ってSNSや自分の持っているチャンネルで宣伝するという流れです。
発言力があれば成り立ちますが、普通はなかなか難しいと思います。

50%. UdemyのWebサイトやアプリ経由での購入

プラットフォーム上で受講者が検索して、その流れで購入に至った場合です。
UdemyがSEOを頑張ってくれれば、チャリンチャリンと支払いが発生します。
楽な分、講師の取り分は 50% になります。

25%. アフィリエイト経由での購入

アフィリエイター / Udemy / 講師 の3者で分配するパターンです。
これには Udemy がお金を出して行った広告プロモーション(Facebook広告等)も含まれます。
講師の取り分は 25% に縮小されます。

こういった分配になりますので、1,000ユーザーが購入してくれたとしても
1,000 * 1,400円 = 1,400,000円 とはなりません。

では、それぞれの比率はどんな感じかというと、ダッシュボードで流入数を見ることができます。
残念ながら、確認できるのは直近30日らしいので、1年通しては分かりませんでしたが、こんな感じになっています。
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これを見ると 3. アフィリエイト経由での購入 がかなり多いみたいですね。
あくまでこれは訪問者数なので、それぞれのチャンネルのコンバージョン率を考えるとまた違った印象になると思いますが、意外にもUdemy内での売上はまだまだ伸びしろがありそうです。日本 Udemy の成長度次第といったところでしょうか。

ということで、実際に講師が手にするのは 30〜40% 程度になるのでは、と思います。
もちろん自分でプロモーションを頑張れば収益性は一気に上がりますが、それはそれでコストかかったりするので、悩ましいところですね。

コース作成

もちろん何もせずに上の売上が入ってくるわけではなく、公開する講座が必要です。
実際に作っている最中に感じたことや、Udemyの方からアドバイス頂いたことを残しておきます。

題材

普通は自分の得意分野かと思います。エンジニアの方であれば 「誰でもできる Ruby on Rails」 とか 「Javascript でゲームをつくろう」 とかですね。
簡単そうですが、実は結構難しい。。。
普段仕事でやっているようなことだと、体が自動的に動きすぎて丁寧に解説するのが難しい、というのが自分の印象です。
あと 「デザイン」 とか 「エンジニアリング」 とか物凄く大きなテーマを題材にすると、1つの講座では語りきれないので、途中で挫折してしまいますし、そもそも自分がその大きなテーマについて全てを知っているわけではありませんから、自分の無知さを思い知ることになります。

ターゲット

対象となるユーザーを明確にしてくださいと Udemy の方からよく言われました。
「ゼロからできる xxx」 とか 「機械学習のことはじめ」 などといった講座タイトルだけでは、対象となる受講者は明確になっていません。
プログラミング言語の種類も知らないような人を対象としているのか、将来エンジニア職に付きたいような学生を対象としているのでは、講座の雰囲気と難易度が変わってくると思います。

収録時間

数千円出して買ってもらうわけですから、それなりのボリュームは用意しておきたいところ。受講する方も、同じ金額を払うのなら、収録時間が長い方にお得感を感じてしまいます。
実際に、1本目も2本目も 10時間以上 というのを必須条件に設定しておきました。

ただ、この時間数を達成することを念頭に置いてカリキュラムを構想したのは少し失敗でした。
初学者向けの講座であれば、丁寧に解説していけば自然と10時間を超えます。
10時間に満たなければ、さらに掘り下げた内容を追加していけば良いだけなので、時間配分を考えたりしていた作業は無駄だったなと感じています。
時間配分を考えたところで、収録が始まればあってないようなものです。自分が普段何の意識もせずに行っていることが、実は説明するに時間がかかる、というケースがよくあります。

新しい講座

今回は、ReactNative 等のツールに特化した講座ではなく 「ウェブデザイン」 という曖昧なトピックを選択しました。
前述した 大きなテーマ に近いですが、講座作りが難しくなる一方、ターゲットの総数が増えるかなと思いやってみました。
1本目は ReactNative という ツール でしたが、2本目の今回は ウェブデザイナー という キャリア に焦点を当てています。

この講座だけでウェブデザイナーに成れる保証はありませんが、ウェブデザイナーとしてスタートする取っ掛かりが欲しい、未経験だけどウェブ系の仕事がしたい、自分のサイトくらいは作れるようになりたい、などといった方に向けて、Webサイト制作の最初から最後までをまとめています。
  
セール期間中に限らず 1,200円で購入できるリンクを発行しましたので、よかったらどうぞ。
Udemyで買うよりお得です。(そして売上の 96% が講師に支払われます!)

Udemy Web Designer

  
一応、ReactNativeの方も貼っておきます。
Udemy React Native
  

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Shunsuke Sawada

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